新、歯科常識

なぜ口(歯)の不調和が全身に影響するのか? -構造編-


私達人類の最大の特徴である直立二足歩行は、手が自由に使え、脳が大き く発達することをもたらしましたが、その分、ボウリング程もある重い頭が一番上にあるなんとも不安定な構造になってしまったのです。

二本の足で自由な動き をするには、この頭を常に安定させなければなりません。この重い頭を支えるために、太くて強靭な筋肉が首の周りに付いており、これらの筋肉を適度に緊張さ せることで身体バランスを保っています。

しかし、この筋肉が過緊張の状態になると、筋肉のなかを通っている血管や神経を圧迫し血行不良や神経伝達を阻害し てコリや痛み、しびれ等の症状を全身に引き起こします。

 物を食べる時に使う咀嚼筋や顎を支える筋肉は、この首の周りの筋肉に隣り合っているばかりでなく密接な関係にあり、一体となって働いています。口(の筋 肉)の不調和が構造体としての筋肉バランスを崩し、全身に影響を及ぼすこともあるのです。

例えば左側の歯に虫歯の痛みや欠損があったりして、右側ばかりで 噛む癖(右噛み)が長く続くと右側の筋肉が発達します。左右の筋肉バランスが崩れ、頭は右側に傾きます。すると反射的に頭の傾きを直そうと反対側(左)の 筋肉が働き過緊張の状態になり、痛みやコリが発生します。やがて傾いた頭の重みのために背骨が歪み、腰痛や内臓を圧迫し、口から遠い箇所にその影響が出て くるのです。

 構造体として不安定な私達の身体バランスは全身の筋肉が司どっています。つまり、すべての筋肉の状態やバランスをより良く保つ事が、咀嚼や歩行等、身体 の機能を円滑にするのです。特に咀嚼筋を初めとする首の周りの筋肉は進化の初期の段階では同じ呼吸筋(第二鰓弓.えら)の一部でした。

言うならば出身が同 じということです。この呼吸筋は頚部から胸部、腹部を経て肛門に至っています。従って口の不調和が同じ出身の筋肉を辿って『痔』を起こすこともあるので す。

上下左右の歯でバランス良く噛むことが身体バランスを安定させ、全身の健康につながるのです。そのためには、歯の本数が揃っているだけでなく、顎の動き の偏りや癖を、機能訓練や自律訓練などのリハビリで治し、スムースに口が動き、ストレスのない状態にしなければなりません。


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  • 2009年6 月

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