新、歯科常識

なぜ口(歯)の不調和が全身に影響するのか?-システム編-

噛み合わせに不調和があるとなぜ全身に様々な症状がでるのでしょうか?それを説明するために、私たちの身体を大 きく二つに分けて見ましょう。ひとつは骨や筋肉、皮膚といった構造体として、もう一つは、呼吸、消化、免疫、歩行といった働き(システム)です。システム というのは、『複数の要素がお互いに影響して行われる複雑な働きのこと』です。口という器官も全身のなかにある様々なシステムのひとつです。

例えば、口の 中一杯のご飯の中から、一本の髪の毛をこともなく選り分けて取り出すことができます。なにげない日常の動作ですが、唇、歯、舌、下顎などが協調して初めて できる動作なのです。

食事や会話など口が機能するには顎や舌が動きます。それらを動かしているのは筋肉です。筋肉は脳からの指令で動きます。顎の動き方は顎関節の状態や、上 下の歯の噛み合わせの状態に強く影響されます。他にも唾液の分泌など様々な要素が絡み合い、それらがきちんと調和されて初めて食事や会話をスムースに行う ことができるのです。

これらの要素のうちひとつでも不調和や不具合があると全体がうまく働きません。例えば足を捻挫したときなど、いつものようには歩けな いのはもちろんですが、靴が合わなっかたり、靴の中に小石が入っているだけでも非常に歩きづらく、ストレスが掛かります。

この時、無理をして歩き続ければ やがて腰が痛くなったり、肩が凝ったり、ひどいときは頭痛まで起こってきます。同様に虫歯や歯周病、合わない詰め物、入れ歯などが原因で噛み合わせに問題 があったり、噛み方(顎の動かし方)が偏っていたりすれば、いずれ他のシステムにも悪影響を与え症状として全身に現われるのです。

ですから、顎の痛みや肩 凝り以外にも高血圧、めまい、便秘、生理痛、不眠、イライラ、ボケなど一見噛み合わせとは無縁と思われるような症状も現われることがあるのです。

人間の生命の営みはもとより、社会生活でも多くのシステムがお互いに影響しながら複雑に絡み合い、ある程度の幅の中でうまくバランスを保っている時が健 康で安定している状態と言えるでしょう。

そしてこの『ある程度の幅』の大きさに個人差があることが、噛み合わせの不調和が全身に直結してしまうタイプの人 と、そうでもないタイプの人に大別できる原因だと私は考えています。

 

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  • 2009年6 月

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